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大阪高等裁判所 昭和34年(ネ)401号 判決 1960年9月29日

控訴人 極東機械工業株式会社

被控訴人 破産者有限会社上山鉄工所破産管財人 月山政治

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人の負担とする。

事実

控訴人訴訟代理人は、「原判決を取消す。原判決末尾添附物件目録(以下別紙目録と称する。)第一ないし第三記載の物件は破産者有限会社上山鉄工所の破産財団に属さず、委託者を有限会社上山鉄工所、受託者を控訴人、受益者を有限会社上山鉄工所に対する債権者とする信託財産に属することを確認する。被控訴人は控訴人に対し別紙第一目録(三)(四)記載の各建物につき和歌山地方法務局昭和二九年四月一四日受付原因昭和二六年九月一四日午前一〇時和歌山地方裁判所の破産宣告なる登記の抹消登記手続をせよ。被控訴人は控訴人に対し別紙第一目録記載の物件につき第一項掲記の趣旨の信託登記手続をせよ。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。」との判決を求め、被控訴人は主文と同旨の判決を求めた。

当事者双方の事実上の陳述は原判決事実摘示のとおりであるからここにこれを引用する。

証拠として控訴人訴訟代理人は甲第一ないし第四号証、第五号証の一、二第六号証第七、八号証の各一、二第九号証の一ないし四第一〇ないし第一四号証の各一、二第一五号証第一六号証の一、二第一七号証の一ないし八第一八、一九号証の各一ないし七第二〇号証の一、二第二一号証の一ないし五第二二号証第二三号証の一、二第二四号証の一ないし三第二五ないし第二七号証第二八号証の一、二第二九、三〇号証の各一ないし六第三一ないし第三四号証第三五号証の一、二第三六ないし第三九号証第四〇号証の一、二第四一号証第四二号証の一、二第四三号証の一ないし四第四四ないし第四六号証第四七号証の一ないし七第四八号証第四九号証第五〇号証の一ないし五第五一号証第五二号証の一ないし五第五三号証第五四号証第五五号証の一ないし六第五六号証の一、二第五七号証第五八号証の一、二第五九第六〇号証の各一ないし三第六一号証第六二号証の一ないし三第六三ないし第六五号証第六六号証の一、二第六七号証第六八号証の一ないし四第六九号証の一、二第七〇号証の一ないし三第七一ないし第七四号証第七五号証の一ないし四第七六ないし第八一号証第八二号証の一ないし六第八三第八四号証の各一、二第八五号証第八六第八七号証の各一ないし三第八八号証の一、二第八九号証第九〇第九一号証の各一、二第九二号証の一ないし三第九三号証第九四号証第九五号証の一ないし九第九六号証第九七号証の一ないし四第九八号証第九九号証第一〇〇号証の一、二第一〇一ないし第一一二号証第一一三号証の一ないし三第一一四号証第一一五号証の一ないし五第一一六号証の一ないし四第一一七号証第一一八号証の一ないし三第一一九ないし第一二三号証第一二四号証の一ないし五第一二五号証の一、二第一二六号証第一二七号証の一ないし四第一二八号証第一二九第一三〇号証の各一、二第一三一号証第一三二号証第一三三号証の一ないし五第一三四ないし第一三六号証第一三七号証の一ないし三第一三八号証第一三九号証の一、二第一四〇号証の一ないし三第一四一号証第一四二号証の一ないし二二第一四三号証の一、二第一四四号証第一四五第一四六号証の各一、二第一四七ないし第一四九号証第一五〇号証の一ないし三第一五一ないし第一五三号証第一五四号証の一ないし三第一五五号証第一五六号証第一五七号証の一、二第一五八号証の一ないし六、第一五九号証の一ないし五第一六〇号証第一六一号証の一ないし四第一六二号証の一、二第一六三号証の一ないし六第一六四号証第一六五号証の一ないし三第一六六号証第一六七号証第一六八号証の一、二第一六九ないし第一七三号証第一七四号証の一、二第一七五号証第一七六号証の一、二第一七七号証第一七八号証の一ないし七第一七九ないし第一八六号証第一八七号証の一、二第一八八号証第一八九号証第一九〇号証の一ないし九第一九一号証の一ないし二六第一九二号証の一ないし四第一九三号証第一九四号証の一ないし一四第一九五号証の一ないし三第一九六号証の一ないし六第一九七号証の一ないし三第一九八、一九九号証の各一、二第二〇〇号証の一ないし三第二〇一、二〇二号証の各一、二第二〇三ないし第二〇六号証第二〇七号証の一、二第二〇八ないし第二一二号証第二一三号証の一ないし四第二一四ないし第二一六号証第二一七号証の一ないし三第二一八号証の一、二第二一九号証第二二〇号証第二二一号証の一、二第二二二ないし第二二七号証第二二八号証の一、二第二二九号証第二三〇号証第二三一号証の一ないし一五第二三二号証の一ないし二八第二三三号証の一ないし六第二三四号証第二三五、二三六、二三七、二三八号証の各一ないし四第二三九号証第二四〇号証の一、二第二四一号証第二四二号証第二四三号証の一ないし六第二四四号証の一ないし一一第二四五号証第二四六号証第二四七号証の一、二第二四八号証第二四九号証の一、二第二五〇ないし第二五二号証第二五三号証の一ないし三第二五四号証の一ないし九第二五五号証の一、二第二五六号証第二五七号証の一ないし三第二五八号証第二五九号証の一、二第二六〇号証の一ないし五第二六一ないし第二七一号証第二七二号証の一ないし三第二七三号証第二七四号証の一ないし三第二七五号証の一、二第二七六号証の一ないし九第二七七、二七八号証の各一ないし四第二七九ないし第二八二号証第二八三号証の一ないし三第二八四ないし第二八六号証第二八七号証の一、二第二八八号証の一ないし六第二八九号証第二九〇号証の一、二第二九一号証の一ないし三第二九二号証の一、二第二九三ないし第二九五号証第二九六号証の一、二第二九七号証の一ないし三第二九八号証第二九九号証の一ないし五を提出し、原審での証人田畑正宏の証言原審及び当審での証人大畑正、山本清の各証言、控訴人代表者の本人訊問の結果(但し原審では第一、二回)を援用し乙第七、八号証は不知、その他の乙号各証はすべて成立を認め同第九号証を援用すると述べ、被控訴人は乙第一号証第二ないし四号証の各一、二第五号証第六号証の一、二第七ないし九号証を提出し原審での証人山東春雄の証言、原審及び当審での証人上山彰男の証言を援用し、甲第一、二号証第四号証第五、七、八号証の各一、二第九号証の一ないし四第一〇ないし第一四号証の各一、二第一五号証第一六号証の一、二の成立を認め第六号証については認否をせず、その他の甲号各証はすべて不知と述べた。

理由

控訴人は、本件物件が控訴人主張の契約により信託財産として独立の地位を有し、いわゆる法定破産財団に属しないものであるから、これが確認を求める旨主張し、取戻権の主張をなすところ、右取戻権につき破産宣告前にその対抗要件たる登記手続を経由していないことは本訴請求の趣旨に徴して明らかである。

破産管財人である被控訴人は右主張を否認するので考えるに、仮りに破産者と控訴人間にその主張の信託設定契約が締結されたとしても、控訴人は破産者に対する右権利関係を被控訴人に対抗できないものといわなければならない。けだし、この場合の破産管財人は破産者の一般承継人ではなく、破産債権者の利益のためにそれとは独立の地位を与えられた破産財団の管理機関として、民法第一七七条信託法第三条にいわゆる第三者に該当すると考えられるからである。

以上の理由で被控訴人に対する本訴確認請求部分はこれを認容するに由ない次第であるから右主張事実の有無につき審理するまでもなく右請求は失当として棄却すべきものである。

のみならず以下に判示する如く、控訴人主張の契約締結の事実は認められない。

この点に関する判断は以下に補充するほか原判決理由に判示するところと同一であるからここにこれを引用する。

控訴人の第一次的主張に副う当審での証人大畑正、山本清の各証言及び控訴人代表者本人訊問の結果は原判決判示と同一の理由により措信し難く、その他の当審における各証拠によるも控訴人の右主張並びに仮定的主張を認めることができない。

以上の次第で控訴人の本訴請求はすべて失当であるからこれを棄却すべく、これと同旨の原判決は相当であるから本件控訴を棄却し、控訴費用の負担につき民事訴訟法第八九条を適用し、主文のように判決する。

(裁判官 石井末一 小西勝 井野口勤)

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